台湾料理を通じて台湾文学を紹介する『台湾珍味文学展』台湾文化センターにて8/30まで開催中!

台湾料理を通じて台湾文学を紹介する『台湾珍味文学展』台湾文化センターにて8/30まで開催中!

『台湾珍味文学展 “おいしいを心ゆくまで“』で台湾料理を通じて台湾文学の魅力を再発見!

8/30(金)まで開催中の台湾文化センターと国立台湾文学館が共催する「台湾珍味文学展 “おいしいを心ゆくまで”」の8月6日より台湾文化センターにて開催中。本展では、20名の台湾作家が描いた美食作品の日本語訳の抜粋を展示し、多様な食文化と文学を通じて、台湾の個性豊かな作家と作品が紹介されています。

8月6日の初日には、台湾文化センターで盛大な開幕記者会見が行われ、今回の展覧会に展示された作品の翻訳家や出版社の代表も参加。

翌日(8月7日)に任期を終えて帰国する駐日大使の謝長廷氏も特別に出席し、開幕を支持する挨拶を行いました。

謝大使は挨拶で、「本イベントに参加できたことを光栄に思い、任期の締めくくりとして非常に喜ばしいと述べました。台湾文化センターと台湾文学館の協力で、文学と美食を融合させ、作家の筆致を通じて日本の皆さんに台湾の美食を紹介し、台湾の作家と作品をより多く知ってもらいたいと語りました。交流の機会が善縁に発展することを信じ、「善の循環」が広がる基盤となることを願っています。改めて日本の友人たちの台湾への助力に感謝し、この「善の循環」が永遠に続くことを願っています。」と話されました。

私たちも謝代表帰任前の最後のイベント出席に立ち会えました事、大変光栄に思います。

登壇者は、誠品生活日本橋 株式会社有隣堂 代表取締役社長 松信健太郎さんをはじめ、
台湾文学の翻訳に携われている錚々たる方々。先生方からはご挨拶とともに、ご自身の翻訳された作品の朗読も行われたので、一部ご紹介いたします!

跡見学園女子大学名誉教授 池上貞子さん

『台湾文学コレクション2 風の前の塵』(施叔青/池上貞子訳)に登場する、

日本統治時代に皇室に献上されたお米「吉野1号」についてお話されました。

『台湾文学コレクション2 風の前の塵』(施叔青/池上貞子訳)
https://www.hayakawabooks.com/n/n2ffd3417098b

横浜国立大学名誉教授 白水紀子さん

朗読されたのは、作品内に登場する「彰化の肉圓(バーワン)」。

『台湾文学コレクション3 二階のいいひ人』(陳思宏/白水紀子訳)
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015879/

立命館大学言語教育センター講師 川浩二さん

今回の開幕セレモニーでは、台南・阿霞飯店の呉健豪料理長による「紅蟳米糕」(アンチムビーコー/蟹のおこわ)の調理実演が行われ、出席者に振る舞うという一大イベントが!

試食を前に、この料理を紹介した詩人・焦桐(ジアオ・トン)『味の台湾』(原題:味道福爾摩莎)の訳者である川浩二氏が、台湾料理と文学の魅力について解説すると共に作品の一節を朗読され、会場はさらに「蟹おこわ」への期待が高まりました。

『味の台湾』(焦桐/川浩二訳)https://www.msz.co.jp/book/detail/09045

言葉から、”おいしい”があふれ出てくるのは、台湾文学を日本語で巧みに表現してくださる翻訳家のみなさんの賜物だと実感しました。

国立台湾文学館 館長 陳瑩芳さん(ビデオメッセージ)

国立台湾文学館 館長 陳瑩芳さんからは「食は口腹を、文学は心を養います。どちらも個人の感想を通じて異なる文化の姿を表現することができます。台湾は魅力的な島国であり、地理的な位置のために各国の文化の影響を受け、多様な料理の風味が生まれました。今回の特別展では、文学を通じて台湾のジェンダー、生態、先住民などの議題を表現しています。この活動を通じて、台湾と日本の交流と友情が深まることを願っています。」とビデオメッセージが贈られました。

阿霞飯店シェフ呉健豪氏

この日、実演調理をしてくれた阿霞飯店の呉健豪料理長のメッセ-ジ:「紅蟳米糕は、阿霞飯店の看板料理であるだけでなく、重要な場面でしか食べられない特別な料理です。紅蟳(紅蟹)は蒸すと赤くなり、お祝いの意味を持っています。また、濃厚な蟹黄(かにみそ)を多く含んでいるため、「子孫繁栄」を象徴する料理でもあります。通常、中秋節の頃に蟹黄がたっぷりの紅蟳が選ばれますが、本日はまだその季節ではないものの、当店のこだわりで活蟹を使用して料理しています。」

同展の展示は、「文学の祝宴12の料理」、「日常の食卓」、「風土の味を体験」の3つのコーナーに分かれている。「文学の祝宴12の料理」は日本でもよく知られている台湾の代表的な料理・飲み物を12種類選び、その料理が描写された文学作品の一文と作家を紹介。

「日常の食卓」は、飲食に関する台湾の文学のオリジナル本を展示し、作品の概要を日本語で紹介しており、「風土の味を体験」では、台湾文学館が出版した漢詩の絵本や経済部商業署が制作した台湾料理を紹介する映像を通して、台湾料理の魅力を紹介しています。

また、会場ではオリジナルパンフレットにお好みの料理のシールを貼り付けて、自分だけの円卓フルコースを楽しむこともでき、大人から子どもまで楽しむことができる内容となっています。

あとがき

今回のイベントを通じて、台湾料理を別の角度から楽しむことができ、台湾文学の魅力を再発見することができました!イベントテーマ通り、”おいしいを心ゆくまで”体験できました。これからさらに、日本語で台湾文学を楽しむことができるようになっていくことを切に願っています!

私たちのイベント体験記はInstagramで動画でもご覧いただけます♪

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イベント概要

「”おいしい”本を心ゆくまで—台湾珍味文學展」(参加費無料)

日 時:2024年8月6日(火)〜8月30日(金) AM10:00~PM5:00(土日祝 休館)

会 場: 台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター(東京都港区虎之門1-1-12虎ノ門ビル2階)


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